大腸がんを貝で防ぐ
貝の旨味成分であるコハク酸が大腸がんと胃がんのがん細胞の増殖を抑えることが広島大大学院生物圏科学研究科の加藤範久教授らの研究グループによるラットの実験から分かり、今後のがん治療に大きな期待が寄せられています。
コハク酸とは
コハク酸は果実酸(フルーツ酸)の一種で、アサリの味はコハク酸の味というほどコハク酸を含む代表といえば貝なのですが、それ以外にもコハク酸は自然界に広く分布しています。化石(コハクはマツヤニの化石ですね)、ソウ類、地衣類、菌類などがそうです。
豆乳の凝固剤や中華麺に使われるかんすいなど、食品添加物としての利用も多く、味噌、醤油等の調味料としてなくてはならないものです。工業分野では生分解性樹脂、浴剤、メッキ薬、写真薬など様々な分野で使われている物質です。また化粧品成分としても使用され、pHをコントロ-ルしたり肌の引締め効果の目的で添加されます。コハク酸は清酒にも多く含まれており、清酒の場合、コハク酸の濃度が少ないと淡麗、多いと芳醇な味わいになるそうです。体内の新陳代謝にも重要な役割を果たす物質なのです。
大腸がんとコハク酸
今回の研究結果によると、まずラットにポリフェノールを食べさせると、大腸の中でのコハク酸濃度が増えることを発見したそうです。さらにその応用の実験をしていった結果、コハク酸の大腸がんへの作用において、大腸でのコハク酸濃度が20ミリモルになるとがん細胞の増え方が約50%にまで抑制されることがわかり、この効果はまた胃がんでも見られたということです。そういえば、ポリフェノールに抗がん作用があるといいますが、ポリフェノールによって大腸内のコハク酸濃度が高くなり、そのコハク酸の働きでガンが抑えられるということも考えられそうですね。
そのコハク酸ですが、効果のあった濃度が日常の貝汁に含まれる濃度に相当するものであったことには大きな意味があります。薬やサプリメント、機能性食品に応用する際にも、大量な成分を使わなくてもよいため、多角的な製品の開発がのぞめそうですし、もちろん、日常的に口から摂取することでも同様の効果があると考えられるわけですから、日々の献立に積極的に貝を取り入れた食生活が健康に直結することになります。
コハク酸を多く摂るコツ
毎日の食事の中でコハク酸をちょっと多く摂るコツを紹介します。
上に書いたように、清酒の場合は淡麗よりも芳醇な味わいのものを選ぶこと。しかし飲み過ぎは禁物です。味噌や醤油にも含まれていますが、かといって醤油をたくさん使うとこれは逆に塩分摂取過剰になるのでこれもお勧めはできません。
ここでいうコツはアサリ。貝類は傷みやすいので、少しでも新鮮なものを食べたいですね。しかし、コハク酸の量に限っては面白いデータがあります。あさりに含まれるコハク酸の量は、獲れたてのものよりもパック詰めのものの方が5割多くなるというデータがあります。これは、パック詰めされて酸素の供給が絶たれることによって起こるアサリの生体内のしくみのためなのですが、たくさんのコハク酸を摂取したければ、アサリは獲れたてではなくパック詰めを利用するのが正解。でも鮮度が古過ぎるのは当然注意してくださいね。
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「がんに効く食べ物」といわれても調べてみると根拠もない話もかなり耳にします。それほどがん治癒に対する期待や願いは人々にとって大きなものといえます。その中で今回の実験結果のような信頼できる情報は貴重ですし、すすんで生活に取り入れていきたいものです。加藤教授はコハク酸が他の疾患への作用もありそうだと話しており、さらなる応用に期待がかかります。
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2009年05月25日 | トラックバックURL |
カテゴリ: 体
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