花粉症とレーザー、減感作療法
いまや日本人の二人に一人がアレルギーを持ち、なにかしら花粉症の症状を感じるといいますが、重症の人には本当に深い悩みです。花粉を1個でも吸い込むと、途端に始まるくしゃみ、鼻水、鼻詰まり。重症になると、頭までぼんやりとして何もできなくなってしまいます。こうなると、薬や鼻炎スプレーの常用では対処することができません。
花粉症の根治について
重度の花粉症に苦しんでいる人は多いです。薬で症状をコントロールできる程度なら良いですが、眠気を催す薬も多く、またひどくなると対処できません。使用し続けると効果がなくなってくる薬もあります。特に点鼻薬は効くのは一時、すぐ効果がなくなり、やがて使い続けることになり、薬による炎症が加わる、使っても駄目、常に鼻閉塞という苦しみを味わうことになりやすいです。
こうなると、それ以外の方法を考える時期でしょう。ひとつに、レーザーを使う方法があります。腫れる鼻粘膜を焼いて除去するものです。
もうひとつはアレルギーの根治治療である、減感作療法です。アレルギーを引き起こす物質を少しずつ体内に入れ、体を慣らしてしまう方法です。
レーザーによる治療

これは下鼻甲介粘膜縮小手術のことです。
アレルギー性鼻炎や花粉症などで慢性的に鼻粘膜が腫脹して鼻閉塞が起こっている部分をレーザーで薄く焼き、鼻づまりを改善し、アレルゲンへの感受性も低くします。アレルギー鼻炎や花粉症についていえば、くしゃみ、鼻水、鼻づまりのうちでも特に、鼻づまりに最も有効です。
保険もきき、施術時間も短く、痛みや出血もほとんど心配はありませんが、効果は永続的なものではありません。効果は個人差があり平均2年と聞きますが、中には半年で効果がなくなったという人もいますし、花粉症のシーズンの度に施術を受ける人もいるようです。
それでもレーザー治療は安全性が高く、副作用の心配というものが殆どなく、これを受けることによって経済的にも負担が少なくなるので、この施術で満足のいく効果が得られる人には良い選択となります。
ただ、レーザー治療は重度の症状には対応しきれません。また効果が永続的でないことや、改善される症状が限定的なことを考えると、重症のアレルギー症状で悩んでいる人は後鼻神経切断術を行うか、根治治療を試してみるべきかもしれません。後鼻神経切断術とは、くしゃみなどを誘発する鼻の奥の神経を切断する手術で1,2泊の入院が必要です。費用もかなり高価になりますが、レーザーで効果の無かった人でもよい成績が得られます。昔は副作用がありましたが手術法も研究され、現在ではかなり安全に受けられる手術となりました。ただ、やはりこれは鼻に限局した方法です。一方、ここでいう根治治療とは、『減感作療法(特異的免疫療法)』のことです。
減感作療法
減感作療法は、アレルギーを引き起こす物質を、反応が起きないくらいのごく微量から体に入れて次第に濃度を高くしてゆき、アレルギー反応を起さないよう慣らしていきます。同時に複数のアレルゲン減感作を行うことが出来ます。
減感作は身体そのものをアレルゲンに慣らすので、効果が出れば鼻はもちろん、目やのどや肌、また、気管支喘息もよくなります。アレルギーの根治治療といえるもので、これまでの苦しみから完全に解放されます。
私自身、この減感作療法でアレルギーと喘息が完治した経験を持っています。私の場合はなぜか花粉の反応は出ず、花粉以外のものが全て(!)出ました。そのせいで、スクラッチテストを行った両腕は凄まじい腫脹をおこし、ステロイドで集中治療をしたほどでした。一時にすべての治療は大変だったので、中でも反応が強かったハウスダストとアルテルナリア(カビの一種)について行い、治療効果も非常に早く現れ、20年以上慢性的に苦しんでいた鼻炎と喘息から完全に解放されました。
減感作療法はすばらしいですが、効果が得られる人は7割といわれ、残念ながら全ての人に有効ではありません。また、アレルゲンの皮内注射をするのですが、最初は週2回から始め、やがて月1回になるものの、トータルで2,3年という長い時間が必要です。学校や仕事があると簡単ではないかもしれません。そして自分に効果があるかどうかわかるのが、治療を始めてから半年というのもこの治療を始める上で二の足を踏む要因となるものだろうと思います。あと、注射なのでちょっと痛いですし。
頻繁に病院に通わなくても済むよう、舌下からアレルゲンを吸収させる方法が研究されています。舌下減感作療法です。欧米では確立された療法といいますが、日本で紹介されてから数年経つものの、いまだにその効果についてははっきりとしていません。加えて国内で舌下減感作を行うのはまだごくごく一部の機関にとどまり、保険がきかないこと、また対象がスギ花粉に限られることなど制約があるため、注射の減感作以上に治療を受けるのが難しい状態です。もしもこの方法が注射同等の効果があるのならば、ぜひとも少しでも早く全ての人が治療をうけられるよう制度を整えてほしいものです。
これは違う、飲む減感作?
注意して欲しいことなので付け加えておきますが、スギ花粉を飲むという療法があるようです。療法といえないと思いますが、スギ花粉を加えた飲料がそのような印象を与える説明文で売られているようです。スギ花粉を身体に入れるのですから、それで身体を慣らすというコンセプトの飲料のようですが、これは減感作治療とはなりません。おいしければ飲んでもいいですが、結構なお値段がします。それなら何とか時間を作って、実際の減感作治療を始められるほうが良いのではないでしょうか。あるいは、体質改善などを目的とした各社が提供するサプリメントの方が、効果の程度はともかく信頼できるものと思います。
日本人の二人に一人が抱えるという花粉症。ほうって置いてよくなるという話も聞きません。少しでも苦しみを軽く快適な生活が送れるよう、早くなんらかの対処を始めて快適な生活を送りたいものですね。
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2009年02月27日 | トラックバックURL |
カテゴリ: 体
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