納豆と骨粗しょう症(骨粗鬆症)
骨粗しょう症は、骨の密度が次第に小さくなりもろくなってゆく病気です。中年以降、8割が女性におこり、患者は国内で1000万人といわれます。日常生活でも骨折することもあり、痛みはももちろん、生活が極めて制限される深刻なものですが、近年納豆との関係が注目されるようになりました。
骨粗しょう症とホルモン
骨粗しょう症は、老化や閉経によって女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が低下することが原因でおこります。したがって、閉経後の女性にエストロゲンを投与することによって骨密度の減少を抑えることは出来ます。また加齢による腎機能の低下に伴うビタミンDの生産量の低下によっても骨粗しょう症がおこります。また、男性は急激にエストロゲン量が少なくなって骨粗鬆症になることはありませんが、男性であっても骨密度の低下とエストロゲンの量には関係があるいわれています。
骨粗しょう症の治療
骨粗しょう症の治療には、単に不足したエストロゲンを補充すればよいわけではありません。エストロゲン投与は乳がんの発生リスクを高める副作用があるからです。治療としては、エストロゲンのほかに骨が吸収されるのを抑制する薬と、ビタミンD、ビタミンK、カルシウム剤などが使われます。また、カルシウムパラドックスというものが知られており、カルシウムの摂取が多い国ほど骨折が多いのです。その理由として、カルシウムの摂取量そのものではなく過剰な動物性たんぱく質が原因ではといわれており、骨粗しょう症の予防には、運動、日光浴とともに、カルシウムの排出を防ぐ十分な野菜と果物を取ることが勧められています。
高齢者の骨折と食事との関係を調べるため、寝たきりの原因になりやすいお年寄りの骨折として特に多い「大腿骨近位部骨折」(脚の付け根の骨折)について、東日本と西日本でデータが取られました。その結果、大腿部近位部骨折は西日本で多く、東日本で少ないことがわかったのです。なにがこの差を生じさせたのでしょう。
納豆消費量と骨折発生率
その原因解明のために、それぞれの地域で消費されている食物が調査されましたが、地域による明らかな差があるものはなかなか見つけられませんでした。その中で、唯一納豆だけが、その消費量と骨折の発生率がマッチすることがわかったのです。
骨を強くする栄養成分としてよく知られているのは上にもあるようにカルシウム、マグネシウムやビタミンD、ビタミンKなどです。そのうち納豆に豊富なのはビタミンK。ビタミンKはビタミンDと共に骨を作る働きをします。ほうれん草などもビタミンKを含みますが、それらの野菜の消費量に差がなく、納豆の消費量の違いだけが骨折発生率に合致したのです。そのことから、納豆を含めてのビタミンK摂取量が骨折予防に役立つ必要量を満たしていたのではないかと考えられるのです。
納豆のちから
通常、1日に摂りたいビタミンKの摂取量は女性の場合、20代で60μg(マイクログラム)、30歳以上で65μgといわれています。日本女性のビタミンKの平均摂取量は241μgで目安の60~65μgを大きく上回っていおり、欧米女性に比べて日本人女性の骨粗しょう症による大腿骨近位部骨折が少ないのは、ビタミンKの摂取量が多いためと推測されています。
これらのことから、納豆そのものの摂取量と骨粗鬆症関連骨折との間には確かな関係があると思われ、岩手医大の研究チームによれば、東北地方の骨折発生率の低さや関東地方のビタミンKの摂取量を考えれば、1日300μg(マイクログラム)で予防できるのではないかと言っています。納豆1パック(50g)に含まれるビタミンKは435μg。1日1パックで十分カバーできることになります。骨粗しょう症予防対策なら1日1パック、骨密度にまだ不安のない20代であっても、週に2,3回は食べるのがよいと言われます。
ビタミンK 1000mcg (1mg)
ビタミンKを持ち出すまでもなく、納豆が優れた食品であることは誰でも知っています。そこそこ日持ちもするし、うれしいことに価格もお手ごろ。そんな優秀な納豆が骨粗しょう症の予防にまでなるのですから、ぜひこれからも積極的に摂りたいですね。熱々のご飯に乗せて頂くシンプルな食べ方は最高ですが、オムレツやパスタにも良く合います。蜂蜜をブレンドしてトーストに塗るのも意外と美味。伝統の食材納豆の新しい魅力を見つけながら、常に食事に取り入れていきたいものです。
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2009年02月08日 | トラックバックURL |
カテゴリ: 体
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